教育学科初等教育学専攻

小学校教諭1種免許状を取得するために必要な科目、児童についての理解を深めるための科目、教科の専門性を形成するための科目を中心に履修します。初等教育や児童理解の原理と方法、各教科の指導法と内容、さらには初等教育をめぐる環境や諸問題などについて幅広く、かつ専門的に学習します。

取得できる学位
学士(教育学)
取得できる教員免許状
小学校(1種)

特色

1
教科の専門性とともに子ども理解の専門家に育つためのカリキュラムを備えています。
2
子どもが心から楽しいと思える授業、納得がいく授業の在り方を追究します。
3
小学校が直面する課題に対して、「臨床性」のある授業の展開を試みます。
 

人間発達の基盤となる児童期における諸問題を多面的に学んでいく専攻

初等教育に該当する児童期(6~12歳頃)の子どもは、身体、認知、情緒、社会性など、さまざまな側面において著しい発達がみられます。人間の成長にとって極めて重要なこの時期に培われたものは、生涯にわたって大きな影響を持つことが知られています。初等教育学専攻は、人間発達の基盤となる児童期に焦点化して、「学びと育ち」について多面的に学ぶ環境を提供する専攻です。

本専攻では、子どもたちの発達段階や個性を深く理解して魅力ある授業を展開し、豊かな人間性や確かな学力を形成することのできる教員の育成をめざします。卒業後は、主として小学校教員として活躍することが期待されますが、大学院の教育学研究科に進学して専門性をさらに高めることもできます。

本専攻での学びを基に、学生たちは多様なキャリアを構築しています。まずは、子どもの心に寄り添い、子どもをよく理解し、子どもが夢中になって追究する授業の実現をめざす教師。各教科の専門的な知識とともに、人間としてしなやかに成長していくことの価値を学びます。同時に、教育学科他専修の科目を選択履修することにより、教育に関する学術的研究能力を高めること、あるいは他学科開講の科目を履修し、教科指導の専門性を高めることもできます。

 

KANATANI MANA
教育学科 初等教育学専攻 
4年
※2023年当時
金谷 優名

「教師になりたい」という思いが強くなりました

最もよく知っているようで実は知っているつもりになっている職業、それが教師ではないでしょうか。私は小学3年生の頃から高校時代まで、漠然とですが教育に関わる仕事がしたいと考えていたため、迷うことなくこの専攻を選択しました。
実際に大学で講義を受け始めると、今まで自分が捉えていた教師像や教育観が良い意味で覆され、毎日が驚きと学びの連続でした。授業研究や教育実習、インターンシップやボランティアなど、学んだ理論を実践していく場も自分が望めば用意されています。それまで抱いていた理想となかなか上手くいかない現実との差に苦しむ時期ももちろんありましたが、それでも4年間の学びを経て教師になりたいという思い、児童が毎日楽しく通える学校生活をつくりたいという思いは日増しに強くなりました。そんな夢が叶って、来年から小学校教員になります。
最後に皆さんにお伝えしたいこの専攻の最大の魅力は、初等教育学専攻の仲間たち、ユーモアたっぷりな先生方との出会いです。アットホームな雰囲気ですが、授業中には真剣に学び合い指摘し合える、そんな頼れる仲間たちです。皆さんも私たちの仲間になりませんか。

 

授業紹介

子ども理解と授業

この講義では、授業や学校生活に表れる子どものものの見方・考え方について考察します。特に子どもは具体的な授業場面でどのような反応、表現を見せるのか。教師はそれらをどのようにして捉え、授業実践や学級づくりに生かすのか。教師の子ども理解と授業づくり・学級づくりの関係性に関して、実践事例に基づきながら、小グループを設定して、グループディスカッションを行い、協働的な学習活動を展開していきます。

教育方法原論

この授業では、「子どもは本来自ら学び、日々成長しつつある存在として生きている」との子ども観のもとに、近年授業改善のための指針として重視されている「主体的・対話的で深い学び」をどう具現化するか、その理論と方法について考察します。授業構成上の基礎的な要件(児童・教師・教材等の相互関係)や学習指導と評価の関係等についてテーマを設定し、レポート発表に基づく協議会を開くなど、批判的な考察力を身につけながら、教職専門性の理解を深めます。

 

研究室紹介

造形教育ゼミ 大泉義一教授
早大初の子どものための
芸術教育を探究する大泉ゼミ

他者や社会との関わりにおける
子どもの芸術表現の可能性を探究

社会が大きく変容する今、子どもの教育も、従来のように学校の中だけで完結するものから、地域や社会との連携で行われるものへと、変化が求められています。私の専門である美術教育もそれは同じで、教育の機会は学校内にとどまりません。最近では、子供の芸術体験に対する親や地域の求めに応じて、学校に限定しないオルタナティブな芸術教育への期待が高まっています。

私の研究室では大きく次の二つの研究に取り組んでいます。一つは学校教育における図画工作・美術科の授業研究です。そこでは、学校のなかに子どもの表現が位置付く意味を考察しています。さらにもう一つ、公共施設や美術館、公園など、子どもが居る場に出向いて行う造形ワークショップの研究に力を入れています。学校の内外を問わず、美術教育において重要となるのは、作品をつくること以上に、形や色などで表現するプロセスを通して子どもが自分なりの意味や価値をつくりだしていくこと、すなわち創造性の発揮だと私は捉えています。さらに他者の表現を味わうことで、自他の違いを認識し、自身の個性を発見する機会にもなるでしょう。

子どもたちが他者や社会との関わりの中で、美術などの芸術を通して自分を表現する喜びを感じられるような授業やワークショップのあり方を、学生と一緒に考えていきたいと思います。また同時に、学生自身にも表現の喜びを体感してほしいと考えています。

 

進路状況

多様な志向をもつ学生が、切磋琢磨できる環境

教育についての専門性を活かして、教育に関連する領域や人材育成に関する領域のエキスパートとして、官公庁や企業にも積極的に就職して活躍しています。

さらに、学部教育の発展として、初等教育学専攻も大学院教育学研究科の修士課程、博士後期課程と連結していますので、大学院に進学して、教員養成に携わる大学教員や研究者になる卒業生もいるなど、学生たちのキャリアは多様化しています。

初等教育学専攻は、このような多様な志向をもつ学生たちが、切磋琢磨できる環境を提供できる専攻です。

2018~2022年度卒業生データ

教育学科[教育学専攻]教育学専修