数学科

現代数学の各分野にわたって幅広い学習を行います。数学教員、純粋数学・応用数学の研究者および産業界の各分野で活躍できる、優れた数学的素養を身につけた人材を養成します。

取得できる学位
学士(理学)
取得できる教員免許状
数学(中学1種・高校1種)
情報(高校1種)

特色

1
基礎から最先端の研究まで、応用数学、情報数学、数学教育学も含め幅広く科目を設置。
2
学部生・大学院生・教員・事務が一体となって、充足感のある数学の学習ができる学科。
3
アドバイザー制度により、数学に関する質問には授業後に院生や助手・助教が親切に回答。
 

数学科は、数学のことが気になる人が集う場所でありたい

『充実した教育環境でしっかり数学を学びたい』… 数学科はあなたのそんな願いに応えてくれる学科です。数学は森羅万象を記述し理解し活用するための基盤を提供する学問であり、それゆえ文明の発祥とともに誕生し、社会の発展とともに進化してきました。現在では、科学技術の発展を理論面で支えるだけでなく、日常生活においても欠かせない素養となっています。そのような数学を身につけ、社会に貢献できる人間を育てるために、本学科では、代数、幾何、解析といった純粋数学の分野から情報数学や数学教育学に至るまで、数学の主要な領域をカバーするように科目が設置されています。

もっと進んだ数学を学びたい、最先端の数学を研究したいという人達は大学院に進学しています。成績優秀者には、大学院教育学研究科と大学院基幹・創造・先進理工学研究科への推薦入学制度があります。 卒業後には、数学科で培った論理的な思考・柔軟な発想により、 メーカ一・通信・金融など、さまざまな業種の産業界であなたの活躍が期待されています。全国各地の中学校や高校、さらに大学の教員となって活躍している卒業生が多いのも本学科の魅力です。数学科はあなたの個性を尊重し、積極的にチャレンジする精神を大切にします。

 

NOGI KAITO
数学科 4年
※2023年当時
野木 海斗

「なぜ数学が必要か」がわかる授業を目指します

現在は数学教育学を勉強しています。今自分がいる研究室では、公式をただ教えるだけでなく、なぜその公式がいるのか、どこで使うのかなどの問いが先立つような教育の仕方ができないかと模索しています。数学をなぜ学ばなければならないのか気になる人には、うってつけの学科です。本拠地は早稲田キャンパスなので、理系以外の多くの学生との交流もあります。近くには国際教養学部もあって国際的な交流も多く、刺激の多い学生生活が期待できます。
将来は教育者になるつもりなので、なぜ数学が必要なのかわかるような授業で、未来の学生により良い数学生活を送ってもらうように精進していきます。

 

授業紹介

数学演習1・2

日常的なネット通販などでは、現代数学に基づいたさまざまな暗号技術が使われています。さらに、量子コンピューターによる暗号解読の脅威や、生活スタイルを変え続けるインターネット技術の革新により、必要とされる暗号技術も日々進展しています。暗号理論の数学演習では、そのような最新暗号技術の基盤となる代数学・計算理論を学ぶとともに、それらを組み合わせて証明可能安全な暗号を作り出す数理技法を探究します。

現代数学教育

今日の数学教育では、学習者がより主体的な数学的活動を通して自ら数学を作り上げていくことが期待されている。これは、教師が学習者に数学の理論を与え、学習者がその応用・活用に習熟するといった従来の指導方法とは大きく異なったものである。この授業では、様々な教材を通して、数学的活動がいかなるものか実際に体験するとともに、数学の授業においてより主体的な活動が生じるための条件を探る。

 

教員メッセージ

小森洋平教授 専門:幾何学
「集合」と「論理」を用いて
数学を再構築する

図形の性質を研究する「幾何学」の中でも、私は「複素解析幾何学」と呼ばれる分野を専門にしています。例えば床や壁のタイル貼りのように、数式では表せないけれど、ある種のパターンを繰り返す図形が身の回りには多くあります。自然界でもハチの巣やヒトデなどがそうです。こうした図形を複素数という数を用いて作り出し、その現象の規則性を研究しています。この分野を含めて、大学における数学は、説明をすることが主となります。そのために必要な「言葉」と「道具」に当たるのが、「集合」と「論理」であり、これらを用いて、高校までに学習してきた数学を一から再構築することを学部1、2 年次で学びます。例えば√2という数は本当にあるのか。数学の論理を使って説明する経験を通して、今まで何となく「そんなものだ」と受け入れてきたことを、問い直す視点が生まれることでしょう。高校までの計算が中心の数学に何か消化不良の感覚を持ってきた人や、数学を根本から理解したいと願う人にとって、大いに学びがいがあると思います。

社会で活きる「相手に伝わるように話す能力」

私のゼミでは学部1、2年次で学んだ大学数学の基礎を用いて、平面や空間を規則正しく埋め尽くす多角形や多面体がどれくらいあるかを考察しています。1 回の授業でテキスト1、2ページをじっくりと読み進め、論理的な明確さを重視しながら学生同士の深い議論ができるように進めています。本学部は教員免許の取得を卒業要件としていませんが、私自身の希望としては、質が高い教育を実践できる教員、つまり、数学を深く理解したうえで生徒にわかりやすく教えられる教員を、ゼミから1人でも多く送り出したいという思いがあります。そうした数学教員を目指す人にとって早稲田の教育学部は、現代数学の各分野を広く体系的に学習できるとともに、数学教育についてもしっかりと学べる点で、非常に整った環境と言えるでしょう。数学の深みを味わいながら、同時に「自分の言葉で相手に伝わるように話す能力」を、教育学部の学びを通して体得してください。培った数学的素養や、人に伝える力は、教育の分野に限らず、ビジネスや日常生活を含めたさまざまな場面で活きるはずです。

 

進路状況

数学科はあなたの個性を尊重し、積極的にチャレンジする精神を大切にします

高等学校で習得した数学の基礎の上に現代数学の各分野にわたって学習を行い、中学校・高等学校の数学教員および純粋数学・応用数学の研究者の養成、数学を必要とする産業界の各分野で広く活躍できるよう優れた数学的素養を身につけた人材の養成を目的とします。 卒業生は、中学校・高等学校・大学の数学教員や、コンピュータ関係の企業、銀行、保険会社など広く社会に進出しています。 数学の研究者として活躍している卒業生の中には、日本数学会の学会賞(数学会賞=顕著な数学的業績をあげた数学者に贈られる、日本の数学界でもっとも権威のある賞)や、建部賢弘賞(若手数学者が対象の同趣旨の賞)の受賞者も輩出しています。 また、成績上位の者は、早稲田大学大学院教育学研究科、及び基幹理工学研究科・創造理工学研究科・先進理工学研究科へ推薦入学することができます。

2018~2022年度卒業生データ

教育学科[教育学専攻]教育学専修